重力異常から地下構造を知る  町田晋一

万有引力の法則に従い、地球の物質と物質の間には引力が働いています。普段私たちが身近に感じる重力は地球の中心に向かって働く引力や遠心力など、実は様々な力の影響が含まれています。

1 緯度による重力変化
重力には、地球の自転による遠心力が含まれています。遠心力は緯度によって変化し、赤道付近で最大、極地方で最小となります。

2 時刻による重力変化
重力には、月の引力の影響が含まれています。月の位置は時間と共に変化するので、これに伴って重力への影響も時間変化します。

3 標高による重力変化
標高が高くなると、地球の中心から遠ざかるので、重力は減少します。実際に1m標高が高くなる毎に、重力は0.3086 mgalという値だけ減少します。

4 地形による重力変化
重力には、海水準面から地表面までの物質による引力の影響も含まれています。また、様々な地形の起伏によっても変化します。


今述べてきたような、重力に含まれる様々な影響を取り除いた残りの力は、海水準面より下の物質による影響のみを含んでいる力であるという事になります。これを重力異常といい、地下の構造を推定するのに用いられます。
 地球物理学グループでは、日本全国の重力データを所有しており、重力異常を用いて今まで各地の地下構造に関する研究を行ってきました。現在私は、重力異常データを用いて南西諸島地域の地下構造解析を行っています。重力異常は地表面上ではわからない地下の岩石分布などを推定する事ができます。地下構造解析に興味がある方、お待ちしております。