私はこんな研究をしています!  道岡 弘樹

皆さんは”粉体”という言葉を聞いたことがあるでしょうか?大体想像はつくと思いますが、そう、粒々のことです。粒々と言っても大きな粒から小さな粒、つまり、細かな薬の粉末から大きな砂粒まで世の中には様々な粒々が存在します。それらを総称して粉体と言います。この粒々は、実は液体とは異なる性質をたくさん持っています。水と油のような液体は別として、普通2種類以上の性質の異なる”液体”を互いにかき混ぜると、次第に均一に混ざり合うでしょう。しかしながら、大きさや形の異なる”粒々”をどんなに一所懸命混ぜても決して均一に混ざり合うことはないのです。また、皆さんは小さな頃、砂山を作って遊んだ記憶があるでしょう。砂を用いると山は作れるのに、水のような液体を使ってあのような山を作ることが出来ないのは子供ながらにして暗黙にわかっていたことではないでしょうか?そんな粒々が液体の中にあるのは日常よく見る光景です。雨が降った時、河川の水が濁っているのもほんの一例です。

私の研究は、そのようなお互いあまりに性質の異なる、”粒々”と”液体”を用いて研究をしています。具体的には、ハワイの溶岩湖のように、上から急激に冷やされるために、上の方からマグマがどんどん結晶化してゆき、マグマという液体と、結晶という固体がどのようなふるまいを見せるかを想定しています。

一般的に軽いものの上に重たいものが乗ることは不安定(この状態を特にレイリー・テイラー不安定と言います)で、流体ではこのような状態が起きると、すぐひっくり返って重たいものの上に軽いものが乗る形(安定)になります。日本を通過する温帯低気圧も、主に冷たく重たい空気と暖かくて軽い空気の重力不安定解消過程で発達します。前に述べた溶岩湖の冷却は、軽いマグマの上に重たい結晶が乗る、まさに不安定な状態なのです。

ただし、私の研究は液体同士ではなく、液体の中に粒々が入っているので、そう単純ではないのです。そのような系のふるまいを解明することが私の研究であり、地球学的にも大変有意義な研究なのです。